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2010年11月

2010年11月29日 (月)

散歩道⑩ ~映画館~

中島美千代

 最近、古い映画や見逃した映画をDVDで観ることが多い。テレビを買い替えたついでに、観るだけしかできないけれどDVDプレイヤーもそろえたからである。これまではDVDを観ることなどほとんどなかったから、珍しいこともあって友達やビデオ屋からたくさん借りてきた。
DVDは手軽でいい。「クレマー・クレイマー」を、熱いコーヒーを飲みながら観た。映画館ではこうはいかないなと思ったりする。映画館で観て感動した「父・帰る」を観ながら、やはりこの映画はいいなと思ってビールを飲む。

 いつだったか、作家の赤川次郎がグラス片手にホームシアターでくつろいでいる映像をみたことがあった。こちらはテレビだけど、気分は同じようなものだと楽しんでいた。
ところが「アルマフィ」を観ているとき、これを映画館で観るといいだろうなあと思ったのがきっかけで、急にDVD熱が冷めた。映画館で観るような迫力がないのもつまらないが、映画が心を掴みにこない。

 やはり、映画は映画館に出かけて観るものだと思った。面倒と思えるこのことが、実は映画の魅力なのだと気がついた。

 私はたいてい昼すぎから始まる映画を一人で観る。映画館を出たあと、ぼんやりと街を歩くのはいいものだ。映画の余韻にひたりながら街並みを眺め、人と行きかう。本屋を覗き、読みたかった本を買う。グラビアがいっぱいの雑誌も買い、コーヒーショップでそれをぱらぱらと見る。映画に続いたこういう時間のなんと贅沢なこと。この贅沢と思う時間を楽しみながら、少しずつ現実に戻っていく。

 だから映画を観に行くと、ほぼ半日を費やしてしまう。ときには期待はずれの映画にがっかりするけれど、それはそれで仕方がない。そういうときはコーヒーにケーキもつけて埋め合わせをする。

 そして思い出した。録画したテレビドラマより、走って帰って観たドラマの方が面白かった。今日は絶対にあの番組を観るのだという小さな楽しみが、一日のいろどりにもなった。
 
DVDで観る映画は、録画したテレビドラマのような気がする。いつでも、何度でも観られる気楽さは、楽しみも感動も薄い。観たい映画は時間をやりくりして、映画館で観てこそおもしろいのだと思う近頃である。

 

 

2010年 11月号 42 「二十四の瞳」

新・身も心も 42 
『二十四の瞳』昭和29(1954)年
稲葉 芳明

 
空前絶後の酷暑もようやく過ぎ去り、コンサート・映画目当てに京阪神を巡ってきました。

お目当ては山下達郎のコンサート(9月18日、神戸国際会館)。世界初の全曲一人多声録音アルバム『オン・ザ・ストリート・コーナー』(80年)でぼくは達郎の熱狂的ファンとなり、86年以降はツアーが行われる度に中野サンプラザや大阪フェスティバルホールに馳せ参じ(ちなみにライブ初体験は86年6月28日フェニックスプラザ)、ファンクラブが創設されると即入会してFC会報誌は全冊永久保存してあるという正に「ファンの鑑」です(笑)。今回のツアーはデビュー35周年全国35箇所公演ですが、フェスティバルホールが新規建設中の為大阪公演が無く、代わりに神戸まで足を伸ばしました。
達郎氏は御年57歳ですが、相変わらず休憩無し3時間ノンストップライブを敢行し益々意気軒昂。国際会館はacousticsが素晴らしく達郎の声もいつも以上に伸びやかに響いていて、新旧取り混ぜた選曲・演奏も文句無し満足度二百%のコンサートでした。

これと相前後して映画を3本鑑賞。18日はTOHOシネマズ二条で∧午前十時の映画祭∨『ゴッドファーザー』、翌19日は梅田ガーデンシネマ2で『トイレット』と『ミックマック』を。中でも『ゴッドファーザー』には圧倒され陶酔しました。

最初は水曜ロードショーで、後に東映パラス(現福井シネマ2)で初鑑賞。スクリーンで再見するのは約30年振りですが、今回の「デジタル修復版」の鮮明な画像に驚き且つ感服しました。フランシス・コッポラ監督の演出とゴードン・ウィリスのカメラが、ブランドやパチーノを、当時のニューヨークやシチリアの情景を、ファミリーの絆と恐ろしさを余すところなく描いていきます。

古今東西の名画が、どんなに豪華な画集で見たところで美術館の本物には到底及ばないように、やはり映画は映画館で観ないと駄目です。勿論、往年の名画を映画館で観る機会は限られています。だからこそ、11月に行われる『二十四の瞳』特別上映会は映画ファンにとって朗報です。壺井栄の著名な原作を木下恵介自身が脚色。撮影楠田浩之、音楽木下忠志、主演高峰秀子といった所謂「木下組」スタッフ・キャストで製作された本作は、日本映画史に残る傑作です。

昭和3年、大石久子(高峰秀子)は新任教員として瀬戸内海小豆島の分校へ赴任します。一年生十二人の二十四の瞳と共に充実した日々を過ごしますが、ある日怪我をして自転車に乗れなくなったことから本校に転任します。後に久子は結婚し、教え子の中には卒業しても進学が叶わず奉公へ出される子もいます。戦局が悪化すると久子は教壇から追われ夫は戦死、子供の一人は栄養失調で亡くなります。島の男子生徒も次々と前線に送られ、散っていきます。終戦の翌年久子は再び岬の分教場に赴任しますが、そこには今度は教え子の子供が何人か学んでいました・・・。

ぼくがこの映画を初めて劇場(メトロ劇場)で観た時、小豆島の美しい風景、幾度となく挿入される唱歌、おなご先生と生徒の交流、大切な人をいとも容易く奪い去ってしまう戦争の無慈悲さ、生きながら得ることの有難さ等々に感無量となり、何度も何度も落涙しました。

松竹は、後世に残すべき映画遺産として本作をデジタルリマスター化し、2005年に劇場公開しました。この傑作が、吉田幸子さんの御尽力により福井公開が遂に実現しました。かつて映画館で涙した人も、名のみ耳にして初めてスクリーンで出会う人も、皆テアトルサンクに参集して銀幕の中の「昭和」に見入りましょう!

2010年11月24日 (水)

2010年 11月 ~映画三題~

佐野なおみ

10月上映作品は「13人の刺客」に始まり「桜田門外の変」「雷桜」と幕末
ものが続いた。ついでにもう終わりそうだけれどNHK大河ドラマも「龍馬伝」。幕末ではないけれどちょっと変わりだねの「大奥」なんていう作品もあった。お江戸の時代は現代人に身近でありながら身分制度に違いあり、帯刀の侍あり、着衣にも違いありで私たちはなぜか興味本意な知識欲に掻き立てられてしまうのである。

「13人の刺客」は三池監督作品ということもあってある覚悟を持ってひとりで劇場に足を運んだ。三池監督の代表作だと思われる「殺し屋1」でイチ役大森南朋所持の、当たっただけで腕や脚が切り落とされてしまう鋭い刃物の飛び交うのが怖くて震え上がった覚えがあるからだ。何か思いがけない作り方で近々私たちを驚かせ喜ばせてくれるのは三池監督しかいないと予測していたので見に行かざるをえなかったが、別の意味で予想通りぐちゃぐちゃゴビゴビと目を背けたくなるようなシーンが多々あり、ラスト50分は切っても切っても足軽歩兵が現れて、あぁやはりここまでやるんだこの人はという感じがした。三池監督ならではの13人対300人。仕掛けで半数以上倒して「残り130!」と言ったあとも300人以上斬っていたような気がする。刀さばきを目で追うのに必死でかなり疲れはしたが私もしつこいところがあるのでもう一度観に行ってやっと理解は深まった。私の脳にはまだ学習能力があるということである。こう考えれば一日中同じ映画を上映していた頃ひまに任せてずっと映画館に居座っていた昔の作品をよく覚えていて、最近の作品を覚えていないのは当たり前のことなのである。さて13人のうち生き残ったのは13人目の刺客を除けば一人、新左衛門の甥の新六郎だけなのだが、新六郎と他の刺客との違いはただひとつ。待っている女がいるかいないかだけのことなのである。刺客達が敵を次々と倒していくうちに狂気の世界に足を踏み入れていく描きかたに加え、自国ではない戦地に赴き悲惨な戦いが終われば自分の住む奇妙に明るく平和な国に帰還してくるという現代の戦争事情にも通じるものがうまく表現されていて不思議な気がした。また、暴君に忠誠を尽くす鬼頭半兵衛役の市村正親は時代劇が初めてとは思えない身のこなしを見せており、松方弘樹が殺陣のプロ中のプロの演技で迫ってくるのに比しても見劣りはしなかった。市村正親は次のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」にも明智光秀役で出演が決まっているので期待してしまう。

さらに、なんの気なしに観に行った「悪人」には本当に驚かされた。力のある俳優が持てる力を全開することの凄さを見せてくれた初めての作品である。俳優の力を引き出すのは監督の仕事である。李相日監督の淀みのない厳しい視線と構成力には賛辞を贈るしかないだろう。妻夫木演じる祐一はとても難しい役だったと思う。「ウォーターボーイズ」や「どろろ」は持ち前の運動神経と努力で監督や観客を納得させることができただろうがこれはそうはいかない。顔なしに徹するのも難しいがそれならば誰がやってもたいしてかわりがないということになってしまう。監督と衝突したとしても妻夫木は根性をだして祐一という若者に顔を持たせる努力をするべきだったのではないかと思う。

今日は最強無敵「エクスペンダブルズ」を観てきた。一緒に観ていたAさんは、男優にお金つかいすぎじゃないのか!とイライラしていた。確かに女優はお粗末な感じが漂っていたが、もしかするとこれはシルベスター・スタローンの趣味な
のかもよという話にもなった。日本人向けの超娯楽映画にはちがいなく、tool→cool→foolとアルファベット一文字かえて単語をつくる簡単な言葉遊びが入っていたり、ブダペストから仏陀とペスト(疫病)に分解してみたり、さらに薬でハイになってリーダーのいうことを聞かずに暴走するガンナーが最後更正に成功したり、お互いにカウンセリングをすすめあったり。でもやはり簡単に説明するならガンナー更正の物語ということになるのだろう。10月はDVDや映画チャンネルも含めれば20本以上観た気がする。映画の季節到来なのだろうか。