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2014年7月 7日 (月)

散歩道 女優・高峰秀子

子どものころから美しい女優が大好きだった。世の中にはなんであんなに綺麗な人がいるのだろうと不思議で仕方なかった。自分のまわりを見ると、ちょっと綺麗な人ならけっこういるが、女優ほどの人はいない。

 この間、友達が「女優・高峰秀子」という88ページの冊子を見せてくれた。東京の神保町シアターが5年前に、彼女の出演した42作品を上映したのを記念し、解説書として発行したものだ。解説を書いているのは川本三郎。この人の映画に関する文が好きなこともあって夢中で読んだ。解説はどれも短いけれど、映画と高峰秀子の魅力を存分に伝えていて、彼女の映画をあまり見てないのが悔しくなったほどだ。恋愛もの、喜劇、ホームドラマなど役柄は多彩である。

映画黄金時代、高峰秀子は私にはちょっと綺麗な女優さんだった。岸恵子や岡田茉莉子、岩下志麻や佐久間良子など、うっとりするような美しい女優がたくさんいて、ちょっと綺麗な高峰秀子には関心がなかったのだ。美しい女優は大人の魅力にも富んでいた。そんな女優の恋愛映画を観るのが大好きで、私は口紅を塗って大人のふりをし、校則違反を犯しながら映画館に通った。恋愛映画と口紅の効果は大きい。私は大人の恋愛に憧れ、ついには恋に恋する乙女になったのである。

 高峰秀子の映画を観たのは「名もなく貧しく美しく」が最初だ。まだ夫婦の情愛も理解できなかったが、世間の評判につられて観たのだった。高峰秀子は聾者で地味な主婦の役であった。物語もよかったし、彼女がきらきら輝いていて、これまでの映画とは違う感動があった。人は恋愛だけで生きているのではないという当たり前のことを考えた。しかし頭の隅には恋愛の炎が燃え盛っていた。

 さて、解説書には彼女の出演した映画が網羅してあって、写真も沢山ある。高峰秀子はいろんな役をこなした女優なのだなあと改めて思う。「二十四の瞳」、「浮雲」、「乱れる」を観たのはビデオのレンタルショップができてからである。どれもよかった。ことに「浮雲」は、不実な男と別れられない女の役がよかった。森雅之もその悪い男にぴったりであった。

解説書にはいくつもの場面があって、主人公に感情移入してしんみりしたのを思い出す。

映画全盛時代に活躍した女優をテレビでも見かけることはほとんどない。歳月は流れたのだ。若いころ、恋に恋した私も今は静かな心境である。だが、「女優・高峰秀子」を見ていたら歳月を巻き戻し、恋愛の甘さ、苦さを思い出した。

(中島美千代)

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